| 都市伝説 第21〜25話 |
|
|
| 第21話 ワイドトレッドの都市伝説 検証編 |
|
|
|
ちと前ですが、クラゴン部屋のSUGO幕内稽古のついでに、福島県のリンクサーキットに立ち寄って検証テストをしてきました。
理論的に正しいとわかっていることでも実践しないと気が済まないのでクラゴン部屋。オレはあくまでも実践者です。やっぱり走って確かめてみないとね。 リンクサーキットはライセンスもないし、フリー走行は安いし、人はいいし、それでいてレイアウトとアップダウンがチリバツの、とてもオススメできるサーキットです。 ![]() ■グリップ これはハッキリ言って下がります。特にフロントが逃げてくのが気になってしょうがなかったです。だから1〜2コーナーの切り返しで、いつまでも1コーナーの舵が残って、2コーナーが難しくなりました。 リアはというと、安定したといえなくもないけど、にゅるにゅる滑りっぱなしともいえます。限界のバシッとしたところを使いたい(使える)オレは普通トレッドのほうがいいです。 ■安定度 リアに関しては安定したといえなくもないでしょう。リンクは低速コースだけど、これがSUGOみたいな高速コースになれば挙動がマイルドになるともいえます。 でもフロントに関しては逃げっぱなし。ただのアンダーを安定といっていいのかどう かってところですな。 K葉変態サービスでは「親方は乗れる感性持ってるからさ〜」と言われていますが(笑)、今の純正は平均的に誰でも乗れるように、よく考えられています。そこからさらにグリップが低くて乗りやすいところに逃げたら、ドライビング的にはやっぱりダメなんですよ。 SUGOでマイルドになるといっても、マイルドにしないとダメなくらいのドライビングスキルだったら、クラゴン部屋なら序ノ口稽古で要修行です。 ■気になるのはレバー比 やっぱレバー比だな。実際にはレバー比も変わっちゃってるから、トレッドだけの検証はできてないんですよ。力の入力ポイントが外に変わってるわけだから、そのぶんバネもダンパーも硬くしないと、トレッドだけの変化は出せません。なんだけどそんなメンドーなことは却下。 むしろトレッドの変化よりも、柔くなったことのほうが気になるところです。 だからトレッドを広げて良くなったという人は、もともとアシが硬すぎてダメだったのが、ちょっと柔くなってほどよくロードホールディングが戻ったということだというオレの推測通りです。 とまあ、いつも通りスポンサーがつかなそうなことばっかり書いてますが(笑)、物理的にこうだからしょーがないです。 でもセットアップツールとしては安くて面白いです。 午前と午後とか時間を置かずに試せるし、しかもダメだったら外しちゃえば元通り。アシとかってダメだったら元に戻すにはお金かかるし、その場で試せないから比較しにくいでしょ。 レースカーみたいに高速、高グリップ、高荷重だったら効くわけだから、ロードスターはダメだったけど、良くなるクルマもあるかもしれません。たしかE30のBMWアルピナはいい感触でした。 そんなところからクルマのセットアップに興味を持ってもらうとええかなと。前だけとか後ろだけとかでもいいわけだしね。 オレ自身もワイドトレッドはダメだと思ってたけど、実際にやってみたら予想よりもダメでした。このダメさ加減がわかったオレの興奮。うわーやっぱりダメだったー(笑)、というのは文章じゃ伝わらないんですよ。 K葉変態サービスさんにはホイールも貸していただいて、いい経験をさせていただきました。みんなで全損しに行きましょう。 |
|
|
| 第22話 サーキット向けパーツの都市伝説 |
|
|
|
さて外付ハードディスクも壊れたことだし(?)、ひさしぶりに行きますか〜。
今回の都市伝説はサーキットでダメなサーキット向けパーツについて。具体名は挙げないように努力します(笑)。イロイロあるけど、一番悩むアシとブレーキパッドでいいでしょう。 ■サーキット向け(自称)のアシ 要はサーキット向け=筑波スペシャルなんだよね。だからフラットな路面でアップダウンがないところでプロが乗ればタイムが出る。だけどリンクサーキットじゃロードホールディングが悪くてアウト。ついでに普通の人にはピーキーでアウト。 レースカーは車高ペタペタに見えるけど、必要なストロークはあるし必要な荷重移動はします。それにロードホールディングが全く違います。 だから見た目の車高を下げて、バネを硬くして、ショート加工とかしちゃうと、ロードホールディングが悪くて、難しいクルマになっちゃうんですよ。今のクルマは純正だってちゃんと走るから、走って不満が出てから交換がおすすめです。 ■サーキット向け(自称)のブレーキパッド サーキット向けのブレーキパッドはかなり初期が強めのが多いんですよ。ABSがついていれば乗れなくはないけど、ABSがなかったらとても乗れないのはけっこうあります。ABS前提で強くしてるという言い方もあるのかな。 そうすると中間のコントロールができないから、ゼロか100のスイッチ的な操作しか身につかないんですよ。人間はできないことは最初からないことにするもんです。 ■全損パーツは全損認識から クラゴン部屋の弟子ではまずいらっしゃらないとは思うんだけど、例えばアシを換えて路面のカンジがゴツゴツ来るのとか、ブレーキを換えてちょっとしか踏んでないのにすごく効いたら、サーキット向けって雰囲気になる人もいるんじゃないかな。 で、ショップの人に「サーキット用だから乗りこなすのが難しいんだよ」とか言われたら、喜んで乗っちゃうでしょ(笑)。 そういう人が多ければパーツ屋さんも必然的にそうなります。「サーキット向けブレーキなのに利きが悪い」なんて言われるよりは「サーキット向けだから難しいんですよ」って言うほうがマシじゃん。全損パーツが出てくるのは、サーキット向けのパーツに対する認識が間違ってる面もあります。 だいたい時速200キロオーバーのブレーキングで、利きすぎのブレーキなんか使えるわけないんですよ。危険が危ないじゃないですか。アシだってそう。一般道でゴツゴツのなんかニュルだったら1周もしないでどこかにブッ飛んでいきます。 どちらもサーキットで使うからこそ、乗りやすさや、限界付近のコントロールが大切なのにさ。完全に間違っとる! 「ブレーキが利いて制動距離が短くなる」というような間違った認識をしないように、正しい鍛錬を積み重ねるのが肝要です。あくまでもドライビングあってのチューニングですから。正しい認識は正しいドライビングがベースです。 |
|
|
| 第23話 利くブレーキは短距離で止まるという都市伝説 |
|
|
前の都市伝説もなかなか好評で、やっぱりみなさん知りたがりやさんですのう。次なる都市伝説は「利くブレーキは短距離で止まる」という都市伝説です。前の都市伝説を書いてるときにコレも行けるなと思いまして。 でもサーキット走らない人にはちょっとわかりにくいかな。文章の難しさじゃなくて理解できるかという意味で。わからない人は気にしないでいいです。都市伝説はいつもそうです(笑)。 ■制動距離はタイヤのグリップに依存する いぎなり結論というかタイトルの時点で結論みたいなもんですが、フルブレーキングにおいてはブレーキの利きが良くても制動距離は基本的にはほぼ同じです。 なぜかというと、タイヤをロックさせる制動力さえあれば、あとはタイヤのグリップ次第だから。そして不測の事態を除いて、機械的にタイヤをロックさせられないブレーキはないから。あったらコワイけど。 おりゃー!とブレーキングをしたときに、タイヤがどこで滑り始めるか。滑り始めるのが遅ければ遅いほど、短距離で止まるわけでしょ。 コーナリングはタイヤのグリップを上げると速くなるわけだから、ブレーキングも同じ。コーナリングはタイヤで速くなるのに、制動距離はブレーキの利きなんてことあり得ません。 「でもパッドとローターが接触した瞬間に最大の制動力が出れば止まるのも早いでしょ」と思った人は、クラゴン部屋の秋場所でフルブレーキング鍛錬をやったほうがいいです。もう満員ですが。 ■ブレーキ強化の理由 ほんじゃあなぜサーキットに行くのにブレーキパッドを換える必要があるかというと、それは熱容量の拡大、つまりフェード対策です。 純正パッドでも十分にロックさせる制動力は出るけど、その回数が少ないわけですよ。だからパッドを換えるとサーキットをいっぱい走れるという寸法です。 だからブレーキタッチを良くするためとはちょっと違います。熱と摩耗に厳しくない純正パッドより、熱にも摩耗にも厳しいサーキット用パッドの方がタッチがいいなんて、そりゃ無理な相談でしょ。 むしろどんどん扱いにくくなるのを、何とか使えるようにメーカーのみなさんは努力を重ねてるという方向だとオレは思います。努力の足りないところもあるけどさ(笑)。 1セットで1ロードスターくらいする高っかいブレーキキットもそう。目的は短距離で止まることじゃなくてフェード対策です。フェード対策とタッチを両立しようとすると、でっかくする必要があるのかもしれません。同じ材質でも大きくすれば熱容量は増えるはずだから。 こんな二重の勘違いで、ムダに利くブレーキを求める残念な人が増えてしまうのかなと。 そもそもサーキット用=高性能っていうのが違うんだよね。 サーキット用パーツはサーキットの領域でちょうどいいだけで、ブレーキは温度が上がらなきゃ利かなかったり減ったりするし、アシは跳ねすぎておハナシだし、タイヤに至ってはスリックだと雨の日は走行不能。性能以前の問題です。 サーキットで使わないのにサーキット用のブレーキを買うのは全損。そういう人にあわせて作るのも全損。実際にサーキットで使う人はまさに全損の危険があるわけで、こういう話はもっと知ってもらわなきゃいけないんだけどさ。 すぐ全損とか言うから原稿の依頼も来ません(爆)。 |
|
|
| 第24話 検証 ブレーキを残してみた |
|
|
|
アレをアレで盛り上がりすぎた秋場所では、ドライビングの差がわかりやすいように意図的にブレーキを残すバージョンをやってみました。その後、弟子の方にいただいた秋場所の親方外見映像をもとに、ドライビングとタイムの差を検証しました。
コースはリンクサーキットで、ストレートエンド(ブレーキ直前)〜2コーナークリッピング。区間タイム6秒くらいの区間です。ドライバーはもちろんオレでクルマはクラゴン部屋ロードスター。晴れた日に連続走行かつ全開区間以外はスローダウンしたので、条件としては最も近い状態でやってます。 ![]() ■普通に走る…6秒20 ■ブレーキを残す…6秒12 普通に走るってのは、クリッピングを頂点にコーナーを2分割して「しんにゅう〜たちあがり」という走りです。マッタリ加減をひらがなで表してみました。 ブレーキを残すのはブレーキ開始を遅くして、旋回制動を使って進入してくという方法です。たぶん。あんまり使わねーからよくわかりません(笑)。 というわけでタイムに出ているように、ブレーキを残したぶんのゲインはちゃんとあるんだな。 だけどそのゲインはコーナリングではないんですよ。曲がりやすいどころか、ブレーキングとコーナリングの両方を同時に、可能な限り全開でするわけで、当然のごとく難しいです。 ABSのないロードスターはフロントがロックするわ、つんのめってリアが出るわ、いつもの3倍くらいの仕事量でした。 要するに進入で人より1m前に出るための、レーシングドライバーのブレーキングテクニックですかね。百発百中の旋回制動が必須だし。リスクと効率の両方ともクラゴン部屋クオリティに達していませんが、効果もあるし、ドライビングスタイルによっては十分にアリでしょう。 で、どこでゲインがあるかというと、ブレーキ開始ポイントを遅くできることと、クリッピングまでの速度を普通のコーナリングよりちょっとだけ上げられること。 ブレーキングのテクだからブレーキでゲインがある。検証してみると極めて当然の結果でした(笑)。 再確認できて勉強になりました。 いやもしかして旋回制動はブレーキを残すのとは違うのかなあ。でもダラダラブレーキ残すなら、限界ブレーキ+旋回制動の方が速いし、曲がれる速度ならブレーキ踏まなくていいし、そのままじゃ曲がれないのをブレーキで何とかするのは旋回制動だよね。 最も大きな謎は「ブレーキを残す」をした結果として、フロントに荷重がかかったのと、ブレーキで減速したのと、どっちがどういう割合でコーナリングに効果があるんですかねェ。 フロントに荷重がかかってるのがいいならフロントの車高を下げるとか、ピッチングするようにバネを柔くすりゃいい。わざわざ再現性の低い自分の足でコントロールする必要なんざないわけですよ。アシを硬くしてピッチングしないようにして、ピッチングさせるドライビングをするなんて支離滅裂です。 減速した結果としてコーナリングが成功してるなら、それは旋回制動。荷重は関連するにしても別の話です。 う〜ん謎だ。 いや結論は出てるんだけどね。自動車メーカーさんはちゃんとわかってるから、大丈夫でしょう。 次回に続きます。 |
|
|
| 第25話 検証 アレをアレしてみた |
|
|
ブレーキを残す謎が解けないままですが、先に進みましょう。■普通コーナリング…6秒20 ■ブレーキ残し…6秒12 この2ドライビングに対して、アレをアレしたのはというと…。 ■アレをアレ…6秒06 しかもコレって2コーナークリップまでのタイムだから、当日お越しのみなさんはご存じの通り、アレをアレするとその先でさらにアレするわけですよ。いただいた映像の関係で、できるだけ同じ条件で比較できるとこにしたので。 アレばっかりでわからないみなさんには申し訳ないですが(笑)、またいつか、今の反響を考えるとできるだけ近いうちにクラゴン部屋で指南することになると思うので、その機会を逃さず楽しみにしておいてください。 でもね、結局コレもオレがニュルで必要にせまられて身に着けた、ひとつのドライビングスタイルといえるでしょう。 またニュルに行けば新しいことが見つかるはずだし、終わりはどこにもありません。たぶん。上達に見合ったモノをニュルは教えてくれるでしょう。そしてドライビングのベースになる身体がそれぞれ異なる以上、ドライビングは多種多様であるべきです。もちろんクルマの構造に反したり、危険なのはダメですが。 ついでに書いとくと、オレが良し悪しをハッキリ言うのは、あまりに性能が低かったり、間違ってたりして、危ないときの話です。危なくなきゃ別にどーでもいいです。どんな悪趣味でアヤシイパーツだって妙ちきりんな乗り方だって、いい大人が好きでやってるならいいじゃん。 ただ、オレの立場で言うべきことはあるし、聞いてくれる人にメリットがあればいいとは思ってやってるけどね。信じるかどうかはみなさんの自由です。なんせ都市伝説ですから(笑)。 アレをアレするのは、少なくとも現時点ではクルマの構造上最も理にかなってて、最も効率のいいドライビングです。オレの知る中では。 だってニュルで初ポルシェでちゃんとレースになったんだから。 それもチーム内で一番なだけじゃなくて、ニュルのポルシェ乗りと、しかも各チームのスタート担当エースドライバーと勝負になったわけですから。クルマの構造と効率に反していては不可能です。コレは動かしようのない物理現象であり、事実だからしょうがないです。 でも今がベストってわけじゃなくて、もっといい方法があったら教えてほしいくらい。 それくらい自信満点かつニュルで効果を証明した「アレをアレ」ではありますが、コレが正しいから他が間違ってるとか、他が正しいからコレが間違ってるとかいうところでは見てほしくないな。それぞれいろいろあって、価値の有無はみなさんの見識を持って判断していただけばよろしいでしょう。オレとしては他とか別にカンケーねーし、正しいとか間違ってるとかもカンケーねーし。 ラクチンで速けりゃ何でもいいから(笑)。 でも正しいも間違ってるも「アレをアレしてアレ」じゃどーにもならないかもしれませんが(笑)。 当日お越しになって「アレ」をご存じのみなさんは、守秘義務契約の通りにアレしといてください。 |
|
|